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漫画をめくる冒険―読み方から見え方まで― 上巻・視点

漫画をめくる冒険―読み方から見え方まで― 上巻・視点漫画をめくる冒険―読み方から見え方まで― 上巻・視点
泉 信行

ピアノ・ファイア・パブリッシング 2007-03-14

先週末は東京で開催された文学フリマに参加してきました。Codaを手にとってくださった皆さん、本当にありがとう!

ところで、同会場ですごく面白そうな本があったので買ってきました。「漫画をめくる冒険」という本です。漫画についての論文に近い内容なのですが、書いてあることが非常に刺激的な上に読みやすくて、帰りの新幹線の中で一気に読んでしまいました。中身のクオリティからいったら、本屋さんで売られていても全くおかしくないですね。

まず全体的に感じたのは、この作者さんは本当に漫画が好きなんだなあ、ということです。A5サイズで160ページの本いっぱいに展開される漫画論は、まさに圧巻です。僕も漫画を読むのは好きですが、漫画についてこれほどの共感を得ることのできる発見があるとは思ってもみませんでした。
単に語っているだけじゃなくて、漫画というメディアが他のメディアとはどう違うのか、なぜこれほどまでに魅力的なのかを分析し、明らかにしようとしています。まるで未開の地を切り開き、地図を作る探検家のようです。

例えば、序章「<本>の形をした漫画」に出てくる、仮想アングルに関する説明だけでも目からウロコものです。漫画を読むとき、左側を向いているキャラクターと右側を向いているキャラクターの違いについて考えたことがあるでしょうか?
ぜひ今手近にある単行本を手にとって、左側を向いているキャラクターと右側を向いているキャラクターを比べてみてください。右側を向いているキャラクターは、あなたと「対面している」感じがしないでしょうか?逆に左側を向いているキャラクターは、あなたの「隣にいる」感じがするはずです。
例えばガンスリンガー・ガール9巻、128ページ1コマ目のジャンと3コマ目のヒルシャーを見比べてみればわかると思います。
ほんのさわりだけでもこれですので、全部読んだときの刺激は推して知るべしです。

あと嬉しかったのは、個人的に大好きなeensy-weensyモンスターが大きく取り上げられていたことです。さらに大きく取り上げられているスクールランブルについてはきちんと読んでいなかったので、今度読んでみようと思いました。

ただ残念なことに、この本は現在同人でしか流通していないそうです。なかなか大変だとは思うのですが、是非本屋さんでも買える形で出版していただいて、多くの人に読んでほしいなと思います。

※言葉足らずな気がしたので追記しました。
誤解を招くような書き方をしてしまったかなと思うのですが、この本は漫画についていろいろ解説して、「ね、そうでしょ」と言っているだけではありません。作者さんは「漫画を読むにはリテラシーが要求される」とはっきり言っています。つまり、僕たちが国語の授業を受けて、小説の内容をより深く理解するように、漫画について見識を深めることによって、作家の意図を感じ取り、漫画をより楽しめるようになる、ということだと思います。
僕はこの本を読んでから、家にある単行本を読み返してみて、改めて漫画って面白いなあと感じてます。

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