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Netbookはこれからどうなるのか?

いつ出るのか、もしかしたら日本では発売されないんじゃないかとガジェットマニアたちをやきもきさせていたEeePC901が、先週の土曜日ついに発売されました。前々から欲しいと思っていたこともあり、僕もヨドバシ梅田で買ってきました。

日曜日からいろいろとセットアップしていて感じたのは、時代が変わったんだなあということです。あまりに普通に使えてしまうので、これが6万円で購入できるノートPCなのだということが、今までの感覚とは合わないのです。
もちろん、Cドライブが4GB、Dドライブが8GBしかないという制約上、様々な工夫は必要としますが、一度設定をしてしまえばあとはごく普通のWindowsPCとして使うことができます。

「性能は維持して値段と消費電力を下げる」というIntelの決断、WindowsXPという異例に長寿命で安定したOS、そしてメーカーの挑戦があって、Netbookという新しいカテゴリが生まれました。iPhoneが非PCからパソコンに近い体験をより使いやすい形で進めていくものだとすれば、Netbookは従来のパソコンの方向から一般に広げていくアプローチだと思います。様々な方向からのアプローチがあるのは、とても良いことですよね。

EeePC901に関するレポートはまた後ほどとして、今回はこのNetbookという分野がこれからどうなっていくのかを考えてみたいと思います。

まず、パソコンの変化を考えるには、デバイスの変化を考える必要があります。特に重要なのは、CPUとチップセットですね。
EeePC901はIntelのAtomという新しいCPUを搭載していますが、これはIntelが小型のノートPCやスマートフォンをターゲットとして開発した、全く新しいアーキテクチャのCPUです。その特徴は、性能よりも消費電力やコストを重視していることで、同じ性能ならCereronMの数分の一の電力しか消費しません。

現在のAtomはSilverthorneと呼ばれる第1世代ですが、2009年中には第2世代のLincroftが登場する予定です。Lincroftでは現在のAtomとCPUの性能自体は大きく変わらないものの、メモリコントローラやグラフィックプロセッサが統合され、さらに付随するチップセットも専用のものが開発されます。

現行のAtom搭載Netbookの問題点は、CPUこそ新規設計で新しいものの、チップセットが従来のままであるため、チップセットの消費電力がシステム全体の足を引っ張ってしまうことでした。チップセット全体が再設計され、しかも機能の統合が進むことで、消費電力がより小さくなります。具体的には、現行世代のさらに数分の1になるようです。当然実装面積も小さくなりますので、デバイス自体の小型化、もしくは設計の自由度向上に繋がります。

統合されるグラフィックプロセッサがどのようなものなのかがまだ公開されていないのが不安材料ですが、機能の統合によってアクセスレンテンシが小さくなり、性能の向上も望めそうです。資料では、トータルパフォーマンスで現行の1.3倍、ということになっていますね。

また、現状の最大の問題点であるSSDの容量はどうなるでしょうか。フラッシュメモリの大半を供給しているサムソンと東芝の計画を見ていくと、フラッシュメモリは大まかに言って、一年経つと同じ値段で倍の容量の製品を買えることがわかります。つまり、現行のEeePCがCドライブ4GB、Dドライブ8GBですので、同価格帯ならCドライブ8GB、Dドライブ16GBを搭載できることになります。Cドライブが8GBあれば、EeePC901のように色々な工夫をしてCドライブを空けなくても良さそうですね。

さらに、ソフトウェアについても考える必要があります。EeePC901はWindowsXPを搭載していますが、今後もWindowsXPを使い続けることはできるのでしょうか?Windows Vistaはインストールサイズが10GB近くになってしまうため、今後も(特にSSD搭載の)Netbookでの採用は難しそうです。
結論から言いますと、今後もWindowsXPを使い続けることは可能です。一般向けのWindowsXPの販売は今年の6月で終了してしまいましたが、マイクロソフトはNetbook向けにWindowsXP Homeの販売を、2010年6月30日、もしくは次バージョンのWindowsがリリースされて1年後まで続けると発表しているためです。つまり、少なくともあと2年は大丈夫ということですね。

以上のことをまとめると、2009年中には以下のようなNetbookが発売される可能性がある、ということになります。

・処理性能は現行の1.3倍
・メインメモリはおそらく変わらない、1GB
・SSD搭載、容量は合計で24GB
・WindowsXP Home搭載
・消費電力は現行より小さくなる。(CPUとチップセットの消費電力はシステム全体からすると一部ですので、劇的な改善はないかもしれません。)それに伴う小型・軽量化

こう見ると、EeePC901と比べてさらに「普通に使える」PCになりそうな感じがしますね。もちろん、これはNetbookに求められる「インターネットをする」ということの定義が変わらなければ、という前提ではあります。例えばニコニコ動画が登場したことにより、インターネットをすることへの要求スペックはここ数年でかなり上昇しました。(一部ではニコニコの壁、と呼ばれています。)
現行Atomはこの壁をギリギリ越えられる能力を持っているのですが、今後さらに重いアプリケーションが流行ると、Netbookの性能とのバランスが崩れてしまうかもしれません。こればかりは読みようがないですね。

このような予想を立てた上で、ではもう一年待つのか?と考えてみましたが、結局は今EeePC901を買うことを選択しました。将来的な性能の向上による利益よりも、今欲しいという気持ちが大きかったからです。この選択が正しかったか否かは、時間が経たないとわからないですね。

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